PRPについてもっと詳しく ~様々な血液成分とその働き~

ここでは、PRPの材料の血液について、また、色々な種類のPRPがある理由について、より詳しく解説します。

ポイント!

血液は血球と血漿から構成される

私たちの⾎液は、⾎液の約45%を占める⾎球(体細胞の一種)(⾚⾎球‧様々な種類の⽩⾎球‧⾎⼩板)と、約55%を占める⾎漿(けっしょう)で構成されています。

⾎液成分のうち約99%が⾚⾎球、残り1%が⽩⾎球と⾎⼩板です。

⾎漿成分のうち約90%が⽔分で、残りはタンパク質、電解質とその他の成分で構成されています。

血球と血漿に含まれるタンパク質の様々な働き

⾎液を構成している成分はそれぞれが異なる働きを担っており、様々な役割を持つタンパク質などがその内部に含まれています。

例えば、からだ作る働きの成分(成長因子など)や、組織を分解する成分(タンパク質分解酵素、一酸化窒素、活性酸素、ミエロペルオキシ ダーゼなど)、炎症を起こす成分(炎症性サイトカインなど)、幹細胞を集めたり、単球を成熟させたりする成分(ケモカインなど)、細胞 が正常な働きを維持するのに必要な成分(電解質など)などがあります。

PRP療法の治療対象疾患
血液成分 役割 血液成分に含まれる成分
血漿 (けっしょう) 血液に含まれる黄色い液体成分。細胞への栄養、組織のバランスの調整、止血、 免疫などに働く様々な働きをする成分が含まれている。 成長因子 (IGF)、電解質 (カルシウム)
血小板 止血に働く他、損傷した箇所へ細胞を集めたり、組織修復に作用したりするタンパク質を含んでいて、損傷部位で活性化し、それらを供給する。
PRPの中心的な成分。
成長因子 (PDGF, TGF, VEGF, FGF, EGF, HGF, CTGF)、ケモカイン (SDF-1, PF4), 電解質 (カルシウム)
単球 血管外では、マクロファージに姿を変え、異物や死んだ細胞の除去を行う他、 炎症増強したり、組織修復に導いたりするタンパク質を豊富に放出し、炎症の 制御を行っている。 炎症性サイトカイン(TNF, IL-6, IL-12, VEGF) 、タンパク分解酵素 (MMP-2, 9, 13)、 成長因子 (PDGF, TGF, VEGF, FGF, EGF)
好中球 からだの外から入ってきた異物の殺傷と組織分解に働く成分を多く含んでいて、急性期の炎症反応に関連している。 活性酸素・炎症性サイトカイン (IL-1, VEGF)、タンパク分解酵素 (MMP-8, 9, 15)、 ミエロペルオキシダーゼ・成長因子(VEGF)
赤血球 酸素の運搬を担っている他、体外物質の殺傷にも関連した物質を多く含み、組織 を分解や炎症の増強、細胞死を引き起こすため、通常PRPから取り除かれる。 一酸化窒素・活性酸素・炎症性サイトカイン (IL-8, MIF)

PRPに含まれる血液成分のバランスが重要

⾎液を構成している成分はそれぞれ役割が異なるため、PRPとして抽出する成分の配合率によって、PRPはその作用が変化すると考えられています。

そのため、意図した効果を得るために様々な調整⽅法が開発されています。

一般的に治療効果を発揮できるように血漿や血小板を濃縮する一方で、組織を壊す働きの強い⾚⾎球を取り除き、白血球の種類や濃度を適切に調整することが重要とされています。

[ 監修いただいた医師 ]

筑波大学医学医療系整形外科(スポーツ医学)講師 
金森 章浩 先生